2014/04/18 Category : 雑文 「オランダ語 大学」でググってみた 皆さんは、オランダという国について、どれ程のことを知っていますか?風車やチューリップが有名ということは知っているかもしれません。では、オランダ語のことは? オランダ語の単語を一つでも言える人が、一体どのくらいいるのでしょうか。大学には第二外国語というものがあります。初修外国語、という言い方もしますね。日本の高校で学んだ多くの人が英語を第一外国語として、大学では更に新たな言語を学ぶことでしょう。僕が通っている大学では、フランス語、ドイツ語、中国語、韓国語の4つのうちどれかを取らなければ卒業することができません。また、このように必修の外国語以外にも、希望すればイタリア語やロシア語、スペイン語、ラテン語、ギリシャ語、ヘブライ語などの外国語を履修することができます。僕の大学ではこれだけしかありませんが、外国語大にいけば、専門としてもっと多くの言語を学ぶことができるでしょう。ところで、そういえばオランダ語をやっている大学生って聞かないなあと思い、「オランダ語 大学」でググってみました。そうして検索した一ページ目に出てきた大学は、長崎大学と東京外大、それから九大の大学院のみ……。このうち、長崎大学多文化社会学科オランダ特別コースのWebサイトには以下のように書かれていました。「オランダのことを人文社会学の様々な角度から学ぶ日本に唯一のコースで、1年間オランダに留学します。」オランダに一年間留学するのもすごいなあと思うのですが、もっと重要なのは「日本に唯一のコース」というところ。そう、東京外大が講座が開かれるのみで、九大の方も大学院の案内。大学でオランダ語を学ぼうと思うと、その門戸はほとんど開かれていないのです。さすがに東京外大にオランダ語専攻が無いわけないんじゃないかと思って検索してみたのですが、やっぱり見つからず……。しかも、下の方に行って関連キーワードを見てみると、二つ目までは「大阪大学オランダ語」「早稲田大学オランダ語」なのですが、三つ目からは「外国語大学フランス語」「大学 ドイツ語フランス語」「フランス語大学」「専修大学フランス語」と言ったように、「フランス語」を含んだキーワードばかりが出てきます。「オランダ」と「フランス語」……確かに口に出してみると、似ているような気もします。日本とつながりのあるオランダ語日本とオランダの関係は、今さら解説することも無いでしょう。鎖国政策をとっていた江戸幕府政権下の日本において、日本の知識人たちは西洋の知識をオランダからの情報に頼らざるを得ませんでした。さらに、鎖国が解かれて以降も、オランダ(というか、オランダ語)との付き合いは重要な意味を持ってきます。明治時代の文明開化のために必要なのは、何をおいても西洋の知識でした。漱石はこれを、「皮相上滑りの開化」とか「外発的開化」とか言うわけですが、鎖国を続けてきた日本にとって、やはり西洋の知識を受容して成長していくことは急務であったわけです。そこで、洋書を翻訳する必要が出てきました。そのときに生きたのが、オランダ語の知恵なのです。僕は語学にあまり明るくないので分からないのですが、同じ西洋圏の言語だからか、オランダ語習得者にとっては、ゼロから学ぶよりも容易に英語を習得できたというのです。このように、日本の近代の発展に大きな影響を与えているのですが、日本ではあまり教えられることもなく、なんだか申し訳ないなあという気がするのです。ちなみに、オランダ語の母語話者数は2300万人ほどなのだそう。まあ、日本の人口の5分の1にしか通じないと考えると、確かに実践的ではないのかもしれませんね。 PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword