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「独壇場」は間違った書き方だった?!

彼はその舌鋒の鋭さによって、その場を独壇場としてしまった。

みたいな感じで、「独壇場」という言葉を使うと思います。
「どくだんじょう」と読みますね。意味は、ほしいままにするとか、独り舞台である、といったような意味です。

しかし、「独壇場」と書いて「どくだんじょう」と読むこれは、もともと間違ってものであるということを知っていましたか?

「独壇場」はそもそもは「独擅場」と書かれていました。
遠目に見るとなんとなくしか違いがわからないと思うので、少し大きくしてみましょう。

「壇」「擅」

前者は土へんで、後者は手へんという違いがあります。
土へんと手へんといえば、なかなか大きな違いがありますよね。
「堀」と「掘」を間違えてしまえば、あなたは非難されること必至でしょう。

前者の漢字の意味は分かると思います。「教壇」などの字で使われるように、一段上がったところや舞台を表す漢字です。

それでは、後者はどうでしょうか。
後者は「ほしいままに」と訓読みする漢字で、「独」と同じような意味を持つ漢字です。

つまり、そもそも「独擅」という熟語は「停止」や「柔軟」などと同類で、同じような意味の漢字を二つ重ねたものなのです。

一方、「独壇」の方は「壇」を「独」りじめする、とでも訓読しましょうか。
構成面から見ても、違う熟語になってしまっているわけです。

では何故、このような間違いが起こってしまったのでしょうか。
「堀」と「掘」は間違えたら非難されるのに、この間違いは容認されるに至った理由はどこにあるのでしょうか?

それは、「独壇場」という言葉が、「独擅場」という言葉の表すイメージに限りなく近かったからだと思います。

後者では、「場」をひとりじめにするというような意味です。
前者は「壇場」をひとりじめにするというような意味です。

僕らが「独壇場」というとき、それは「独り舞台」という風に換言できる場合がほとんどではないでしょうか。
ここに「独壇場」が容認されてしまった理由があるのだと考えられます。

この熟語については、辞書のほとんどは「独擅場」の方が正しいとしているようです。
しかし、もうほとんどの人が「独壇場」という風に使っているので、わざわざ正しい方を使うこともない気がします。もしかすると、奇をてらって知識をひけらかしているように見られているかも……?

しかし、このように間違いが容認されている言葉があることを理解し、正しい形を理解することは決して無駄なことではないと思います。


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