先日、演習の講義で芥川龍之介「酒虫」を取り扱ったのですが、先行研究を探すのに大変苦労しました。そこで、「酒虫」を研究材料にしようと考えている人のために少ないながらも文献目録を残しておきたいと思います。他にも芥川の「酒虫」に言及されている文献を知っている方がいらっしゃいましたら、お知らせいただければと思います。
●単行本稲垣達郎 「歴史小説家としての芥川龍之介」『芥川龍之介研究』1942年 河出書房
吉田精一『吉田精一著作集第一巻 芥川龍之介Ⅰ』1979年 桜楓社
菊池弘 「芥川龍之介の歴史小説」 『芥川馳之介 表規と存在』1994年 明治書院
菊池弘・他編『芥川龍之介事典(増訂版)』関口安義「酒虫」 2001年 明治書院
志村有弘編『芥川龍之介大辞典』矢作武「酒虫」2002年 勉誠出版
関口安義・他編『芥川龍之介全作品事典』菅聡子「酒虫」 2000年 勉誠出版
●雑誌掲載論文孔月「芥川龍之介「酒虫」における治療と病の寓意――『聊斎志異』の「酒蟲」との比較をとおして」(『文学研究論集』27
2009年 筑波大学比較・理論文学会)
PDFへのリンク広瀬朝光「芥川『酒虫』の文芸性」(『愛知大学国文学』16 1967年 愛知大学国文学会)
単援明「芥川龍之介<変者>の系譜――「鼻」「酒虫」「芋粥」」(『熊本工業大学研究報告』24 1999年 熊本工業大学)
小谷瑛輔「芥川龍之介の初期作品における反語的完結性――「羅生門」「鼻」「酒虫」を中心に」(『国語と国文学』87 2010年 ぎょうせい)
林[ハイ]君「芥川龍之介「酒虫」論」(『国文白百合』37 2006年 白百合女子大学国語国文学会)
●同時代評
「芥川君の作品(上)」江口渙「東京日日新聞」 大正6年6月28日
「芥川君の作品(下)」江口渙「東京日日新聞」 大正6年7月1日
※「東京日日新聞」に掲載された江口渙の評論は、『新聞集成芥川龍之介像一』(1984年 岩波書店)によって閲覧。未確認だが、『芥川龍之介研究資料集成 第一巻』 (1994年 日本図書センター)でも閲覧可能という。