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二葉亭四迷『浮雲』を読んだ

みなさんこんにちは、あとーすです!
今回は参加している読書会の課題図書である『浮雲』を読んだので、その感想というか備忘録というか、そんな感じです。

主人公は議論が別れるところであるようですが、初読の人であれば、十中八九、文三が主人公だと信じて疑わないことでしょう。僕も、彼が主人公だということで話を進めていこうと思います。

主人公に感情移入してしまい、同情してしまうのが僕の常なのですが、同情する一方で、文三はとても自己中心的な性格だという風に感じました。
文三は、自分の高尚な思想にそぐわないからといって、一度は愛したお勢のことを見限ってしまう。ところが、またもやもやしているうちに心がお勢に戻っていく。
あやふやな態度をとるお勢もお勢なのですが、僕が男なので、男の立場で言えば、ちょっと文三のやっていることは真似したくないなあと思いました。

と言っても、人間ですから、恋愛においてこういう失敗をしでかすのもよくわかります。教訓、ですかね。僕は文三のようにはなりたくない。

しかし、失業というのはいつの時代でも大きなもののようですね。
そりゃあ食い扶持がなくなるのですから一大事なのは当然で。でも、昔はもっと鷹揚に構えていられたのかもしれないというイメージを持っていたので、ちょっと意外。
やはり、理想はあっても金のない男とは結婚することはできない。また、娘と結婚させることもできない。肚の中では、いつでもそんな思想があるのでしょう。

ところで、この小説は恋愛小説であるとしたいのは僕だけでしょうか。文三の悩みは、ほぼお勢に関する苦悩であります。
というのは、僕が殊に恋愛ごとへの興味が強いからそう感じるだけかもしれません。例えば、国許の母や叔母との関係、また、昇への怒りというのも十分テーマとすることができますからね。
しかし、やはりお勢に関する懊悩が多いような気がしました。これは、数量的な分析をしてみたいところ。どの悩みに、どの程度の紙幅を割いているのか。


とりとめもない文章となりましたが、『浮雲』初発の感想は以上のようなものになります。
しかし、文章構造が現代とかけ離れていると読むのにも一苦労ですね…。いくら言文一致とはいえ、文語臭さがかなりありました。
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