2014/01/15 Category : 言葉 日本語の不思議…「に」と「には」 日本語において、「に」と「には」には不思議な役割があります。その例を少し見ていきましょう。(1)私には夢がある。(2)君にこの問題は解けない。(1)の主語は何でしょうか。日本語では、主語に続くのは「は」と「が」ですから、当然「夢」のはずですよね。(2)を同じ要領で考えると、主語は「この問題」。しかし、何か違和感を覚えませんか?(1)の主語は「私」で(2)は「君」ではないだろうか、と。日本語だけをじっと見ていても混乱してしまうので、同じ内容を英語ではどう書くか考えてみましょう。(1)私には夢がある。→I have a dream.(2)君にこの問題は解けない。→It is impossible for you to solve the problem. (1)の主語は「I=私」そして(2)の主語は「It(無生物主語)」ですね。(1)の場合、英語の文法に誤りはありません。主語、動詞、目的語という基本的な文章です。では、日本語ではなぜ「私」が主語にならないのか。それはもちろん、「ある」という存在動詞を使っているからです。存在動詞は特定のもの・ことが存在していることを表します。「私には~がある」では、どうしても「私」に「ある」というイメージを抱いてしまいますが、「ある」が指すのはあくまで「~が」の部分。文法上では、「私」が主語になることは有り得ないのです。しかし「私」を主語のように錯覚してしまうのは、「〜には」が主語に近いニュアンスを含むからなのではないでしょうか。ここが日本語の不思議なところですね。さて、(2)の話に移りましょう。英語では無生物主語を使っていますね。しかし日本語ではそういう書き方をすることはありません。そこで「〜に」に主語のようなニュアンスを含ませて、「解く」という動詞と対応させようとしているのです。無生物主語をとらない故、文法的にはちょっと混乱してしまうこんな文章が生まれるのです。いかがだったでしょうか。これはあくまで私の意見ですので、何かアドバイスがあれば気軽にコメント・リプライ等いただけると助かります。 PR Comment0 Comment Comment Form お名前name タイトルtitle メールアドレスmail address URLurl コメントcomment パスワードpassword