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日本語の不思議…「に」と「には」

日本語において、「に」と「には」には不思議な役割があります。
その例を少し見ていきましょう。

(1)私には夢がある。
(2)君にこの問題は解けない。

(1)の主語は何でしょうか。
日本語では、主語に続くのは「は」と「が」ですから、当然「夢」のはずですよね。

(2)を同じ要領で考えると、主語は「この問題」。

しかし、何か違和感を覚えませんか?
(1)の主語は「私」で(2)は「君」ではないだろうか、と。


日本語だけをじっと見ていても混乱してしまうので、同じ内容を英語ではどう書くか考えてみましょう。

(1)私には夢がある。
→I have a dream.
(2)君にこの問題は解けない。
→It is impossible for you to solve the problem.

(1)の主語は「I=私」そして(2)の主語は「It(無生物主語)」ですね。

(1)の場合、英語の文法に誤りはありません。
主語、動詞、目的語という基本的な文章です。

では、日本語ではなぜ「私」が主語にならないのか。
それはもちろん、「ある」という存在動詞を使っているからです。

存在動詞は特定のもの・ことが存在していることを表します。
「私には~がある」では、どうしても「私」に「ある」というイメージを抱いてしまいますが、「ある」が指すのはあくまで「~が」の部分。

文法上では、「私」が主語になることは有り得ないのです。

しかし「私」を主語のように錯覚してしまうのは、「〜には」が主語に近いニュアンスを含むからなのではないでしょうか。
ここが日本語の不思議なところですね。


さて、(2)の話に移りましょう。

英語では無生物主語を使っていますね。
しかし日本語ではそういう書き方をすることはありません。

そこで「〜に」に主語のようなニュアンスを含ませて、「解く」という動詞と対応させようとしているのです。

無生物主語をとらない故、文法的にはちょっと混乱してしまうこんな文章が生まれるのです。


いかがだったでしょうか。
これはあくまで私の意見ですので、何かアドバイスがあれば気軽にコメント・リプライ等いただけると助かります。
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