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伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード』 太宰の遺作『グッド・バイ』と、バイバイですか。

バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)


太宰治の絶筆となった作品が『グッド・バイ』であることはよく知られています。これがいわゆるコメヂアンとしての太宰が最期に遺したエンターテインメントではないかと言われるのも、もう幾度となく聞いた話ですね。

伊坂幸太郎『バイバイ・ブラックバード』は、『グッド・バイ』に話の筋がよく似ている。というか、発想が全く同じなのでびっくりしました。複数の女性と交際している男が、その女性との別れ話をしに行く。しかも、面倒くさい女を一人伴って。

……と、一人発見した気になって試しにググってみたら、結構そのことを指摘してある記事が出てきてがっくり。というか、そもそも伊坂さんもそのつもりで書き始めたみたいな記述もあって更にげんなり。でも、やっぱり意識しているんだということが確認できたのは嬉しくもありました。

伊坂さんの書く作品は、完璧にエンタメ小説だということができるでしょう。勿論、最近の作品にはエンタメとは言えないものもいくつか出てきているような気はしますが、基本的にはミステリなどのエンタメ畑のです。

一方、太宰は純文学の作家ということができるでしょう。戦後、他の作家たちが戦争にまつわる物語を書く中で、彼は『人間失格』や『グッド・バイ」など、戦争の悲しみを描こうとはしない。戦争を小説の材料に使おうとはしない。あくまで、人間を描こうとしました。僕は、これこそ純文学作家の姿だと思うのです。社会的有用性とかではなく、一人の人間の弱さを描き出し、誰かを救う。純文学はそうあるべきだと思うのです。

そんな純文学の作品を、エンタメ作家の代名詞と言ってもいい伊坂さんが読んでいる。そして、それをオマージュしたような作品を書いている。純文学もエンタメ小説も好きな僕は、これほどワクワクすることは無いわけです。

そもそも、小説って面白くないと意味はないのだから、その点に関しては純文学だろうとエンタメだろうとあまり関係はないと思うのです。その中に、思想めいたものがあればなおよし。

太宰は、その文体のリズムと響きによって人々を魅了し、その思想めいたものでさらに人を魅了する作家であったように思います。伊坂さんは、精緻なストーリーで読者を惹きつける一方で、その独特な主人公が持つ哲学が僕らをうならせます。その辺、共通するところがあるよなあと思うんですね。

何が言いたいかって言うと、とにかく嬉しいわけです。僕は難解であるだけの小説なんかはほとんど読みたくないので、こういう分かりやすい作品たちが手を組むのはいいことだなあと思うのです。

…なんて、この記事を深夜に書いているためか、何を言っているのかわからなくなってきました。

とりあえず、これから『バイバイ、ブラックバード』を読む人、そして既に読んだという方は、併せて『グッド・バイ』も読むことをおすすめします。
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伊坂 幸太郎
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