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伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』 すぐに爆発するアメリカ映画は嫌いだけど、すぐ爆発する伊坂幸太郎は何故か許せる

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みなさんこんにちは、あとーすです!

皆さん、洋画って好きですか? 実を言うと、僕はあまり洋画が好きではありません。
何かというとすぐに爆発してしまうところにやや抵抗を感じてしまうんですよね。あと、ストーリー展開がわかりにくいというのも受け付けない原因の一つかもしれません。

邦画はどちらかといえばアクション系が少ないので、そちらの方が安心して見ることができるんですよね。そっちの方が、人間の心情なんかを見ることができて、好きです。

そんな僕が、伊坂幸太郎さんの『ゴールデンスランバー』を読みました。この作品が世に出たのは2008年のことで、今更読んだのかよーという感じです。前々から家にあって読もうとは思っていたのですが、タイミングがなくて、最近やっと読了しました。

この作品も、アクション的な部分が目立ちます。映画化されているようですが、きっと何度か爆発したり銃をぶっぱなしたりするのでしょう。
それでも、僕は伊坂幸太郎びいきなので、そんなこと気にせずに読んでしまいました。ミステリとして完成されているところも評価の高いところです。

伊坂ワールドが展開! と叫びたいところですが、世界観で言うと、僕の好きな伊坂さんとはちょっと違っているなあと感じました。もちろん、周到に用意されたミステリ的展開はいいのですが、今回は、人物設定が弱い。

僕は伊坂さんの作品のミステリ的作品も好きなのですが、同時に好きなのが、伊坂ワールドの登場人物達が持つ独特の哲学なんですよね。

『砂漠』だったり、『チルドレン』だったり、この作品以前の作品には、もっと濃いキャラクターたちが出てきていたと思うんです。社会に反抗するキャラクターです。そういうキャラクターたちの痛快さに、僕は元気をもらっていました。

しかし、『ゴールデンスランバー』では、なんだか皆物分りが良すぎる。勿論、森の声が聴こえるとか言ったり、ロックンロールがうんたらとか言ったり、そういう人は存在します。しかし、キャラクターが分散していて、これまでの作品ほどの痛快さがないのです。

ただ、もちろんエンタメ作品としての完成度は高いです。プロットを練る段階で相当苦労したのだろうなあということは容易に想像できます。思いもよらないものが伏線になる。あれって、どういう風に伏線を考えているのか気になるんですよね。何気なく書いたものを後から伏線にしているのか、それとも、後で「ここにコレ欲しいな」と思って、さかのぼって加えているのか。

僕は何かものを書くときに設計図を考えるということができないので、本当に羨ましいなあと思う限りです。
最近は設計図を考えて書く練習もしているんですが、この記事に関しては、思いつくままに書いております。


僕は伊坂ファンを自称しているのですが、まだまだ読んだことのない伊坂作品がたくさんあります。ひとまず、これまた家にずっと置いてある『売買、ブラックバード』を読むところから始めなければなりません。
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